2000.11
2ヵ月くらい経つとバンクーバーの生活にも色々と慣れてきた。
しかし未だホームステイの生活には馴染みきれていなかった。そんなある日の夕食の用意の時間。
ベースメントから用事か何かを済ませたアンドリューがキッチンに戻ってきた。「ん?この匂いは?」と思った瞬間ウェンディがアンドリューを叩くような仕草をした。つまりアンドリューはクサを吸ってきたところだった。そのやり取りを見て思わず「何でウェンディが怒ったか分かったよ」と言った。すると夫婦揃ってこう言ってきた。
「Welcome to Vancouver 」
流石にそんな返しは予想していなかった。思わずみんなで笑った。これをきっかけにこの2人とグッと距離が縮んだ。
ある晩、これから泊まりに行ってくるとアンドリューに伝えると、ちょっと待っててと言い自室に行った。そして戻ってくるなりコレを持って行きなとジョイントを1本手渡してきた。オレはかなり驚いたが彼はニッコリと頷いた。ソレはとんでもなく綺麗に巻かれていた。
基本的にクサを許容するホームステイなんて聞いた事ないしほぼ皆無だと思う。オレはある意味このホームステイでラッキーだったのかもしれない。実際クサに対して頭の片隅に罪悪感があったが、まさかホストファザー、マザーが受け入れてくれるとは思いもしなかった。
ココはバンクーバーでコレは日常の事なんだと思った。
何か抱えていたプレッシャーが軽くなった気がした。
この物語はフィクションです。登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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