6.08.2021

第15話

2000.9

タイジと同時期に入学したヤツらには同世代が何人かいたが、オレが入った頃にはもういなかった。ずっと学校に居座ってるヤツもいたけど、大体のヤツらは3ヶ月間語学学校に通ってその後は各々好き勝手やっていて誰が何をしてるとかそんな事は知らなかった。そもそもみんなそれぞれの理由があって来ていたわけだけでたまたまそこで出会っただけだった。

9月半ばくらいにボンという1つか2つ下のロン毛のチャラいヤツが入ってきた。しかし彼は一旦帰国してまたここに来たという事だった。つまりタイジと面識があった。
そして彼もまたクサ好きだった。

タイジも1年前にLAに遊びに行って1ヶ月間クサ中心の生活をしてソレが好きになってバンクーバーに行こうって決めたらしい。まあ理由はそれだけじゃないだろうけど。

そしてタイジ発端でみんなでクサパーティーをしようって事になった。まだオレはそこまでクサを受け入れてはなかったんだけど…
その日の夜、日本食屋でみんなでワイワイ過ごした後、ロブソンストリートを下りながらタイジのアパートへと向かった。オレは罰ゲームで食べたワサビ寿司が胃の中でグルグルしていて気持ちが悪く胃をさすっていた。その時「どうしたの?生理?」と突拍子もない事を言ってきたのはケンだった。彼はタイジと同時期入学でオレはこの時初めて会ったが同い年で面白いヤツだったからすぐ仲良くなった。

タイジのアパートについて早速ジョイントを回した。誰がいただろうか、オレ、タイジ、ケン、ボン、タケ、レイコ、ナオコ。みんなでレンタルした日本のホラー映画を見た。
何故かわからないがオレは後にも先にもないくらいぶっ飛んでしまった。天と地が反転してどうにもならなかった。ホラー映画が怖いのかよ〜なんてチャカされたけどそうゆう事ではなかった。



バンクーバーに来た当初はクサなんてやらねーぞなんて気持ちだったが結局どんどん触れて行く事になろうとは知る由もなかった。

この物語はフィクションです。登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

0 件のコメント:

コメントを投稿