6.01.2021

第11話

2000年 8月31日
ダウンタウンのホテルを出発し20〜30分後、ノースバンクーバーにあるホームステイ先に到着した。15〜16時だったろうか。
ピンク色の家で玄関は階段で中2階に上がるような形だった。迎え入れてくれたのはアンドリューというホストファザー、身体の大きいウェンディというホストマザー、そしてこれまた7歳のわりに身体の大きい息子カイルだった。
オレの事をずっと待っていたけど全然現れなかったから帰ってしまったとの事だった。
そりゃそうだ、お互い携帯電話持ってたわけじゃないし連絡の取りようがないんだから帰るよな。

アンドリューは優しい人だった。後から聞いた話だけど、ホームステイ先がハズレってのはよくあるらしい。ホストファザーが変わりものとか家が汚いとか。ホストファザーは良い人だし、立地も良かったしで当たりを引いたみたいだった。(後に本当に当たりだと思わせる出来事が起こる)どちらかと言うとホストマザーの方がちょっと怖い印象だった。
カイルには日本から持参したポケモンの腕時計をあげた。こっちでもポケモンがブレイクしていたから喜んでくれた。


そういえばスープって言う名前のジャックラッセルテリアもいたな。




この家には、名前は覚えてないけど1〜2歳下の日本人のわりとカワイイ女子と、もう1人日本人で確か19歳の身体がデカイわりに大人しくて存在感のない感じのヤツがホームステイしていた。
ルールとして家の中では英語オンリーだったけど、いつだか日本人だけで夜な夜なコッソリ話した事があった。[家の作りが日本とは違って中2階(多分ここが1階とみなされていた)みたいな所にリビングとキッチンがあってその奥にホストファミリーの寝室。そして地下に2部屋とランドリールーム、それと1人用シャワールームがあった。オレは2階の屋根裏部屋みたいな所だった] その屋根裏に行く階段で夜な夜な話をして少し仲良くなったけど2人とも短期語学留学で来ていたからわりとすぐ帰国してしまった。
最初の1ヵ月は自分との葛藤、というか色んな事がうまく行かないとかで軽いホームシックに陥ったりした事があってこの会話で少し救われたのを思い出した。
そうそう、ちょうどこの頃Red Hot Chili PeppersのCalifornicationを現地のCD屋(確かA&B Soundだったかな)で買ってよく聴いてたんだけど、今もこのアルバムを聴くとこの頃の憂鬱感を思い出す。


この物語はフィクションです。登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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