5.31.2020

第9話

2000年 8月31日
十数時間のフライトを経てようやくバンクーバー国際空港に到着したのは確か昼過ぎだった。無事着いたとホッとしたところに待っていたのは長蛇の列のイミグレーションだった。

そうそう、割愛したわけじゃないがワーホリのビザが降りてからやらなければいけなかった事の一つに語学学校の選択があった。もちろん誰かが紹介してくれる訳でもなく、地球の歩き方という本の中に掲載されていた数十件の学校の中から一つ選んで直接電話なりでリクエストしなければいけなかった。これは義務ではなく1つの方法として最初に語学学校に通うという選択肢があるわけだけどもモリカワにも先ずは語学学校行った方がいいと言われていたからそうしたワケだ。
なんとなくココかなという学校に決めようと思っていた時にタイジと電話をした事があった。その学校はヘイスティングストリートというところにあるらしいんだけどって話をしたら、タイジの彼女(バンクーバーで早速作りやがった)曰くそのストリートは危ない所で有名だからやめた方がいいという事だった。それなら私が通ってる学校に来ればいいじゃん的な感じだった。そこはタイジも通っていたがもう辞めていたからまあそれでもいっかって感じでその学校にする事にした。
ここで楽だったのがその学校は日本人女性校長かつ、受付も日本人女性だった。だから普通に電話でやり取りする事ができた。理想としてはノージャパニーズでハードな環境に身をやる事だったんだけど。まあさておき、その学校といつ到着していつから通うとかのやり取りをした後、ホームステイ先の情報が手紙で届いた。そこにはホストファミリーの事や何時に空港に迎えに来るという情報が載っていた。
その手紙によると飛行機到着時刻辺りに迎えに来るって事だった。
1〜2時間後ようやくイミグレを通過した後さらに待っていたのが預け荷物だった。これを手にするまでにもだいぶ時間がかかった。



ようやくそこから出るとプラカードみたいな物を持った人達が沢山出迎えていた。
プラカードには名前が書かれていてそれぞれ合流しては消えていった。
結構くまなく探したけどオレの名前は誰も持っていなかった。

こりゃ困ったぞ。



この物語はフィクションです。登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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