5.07.2020

第5話

ヤッピが働いている工場にフィリピン人のアリっておじさんがいてどうやら受験生に英語を教えてるって事で紹介してもらう事になった。中学英語を勉強中のオレにはまさにうってつけだった。とにかくもっと英語を身近にしなければと思っていた。
住所を教えてもらい1人でアリの家に行った。彼は普通のアパート住まいだったけど自分にとっては初めての異国に触れた瞬間だった。でもアリは日本語も話せるしオレは英語を話せないから結局会話は日本語だった。もどかしかったけどどうにかして英語に触れたかったからその何日か後に家庭教師みたいなものに同行させてもらった。
行ってみると相手の中学生はテレビゲームの真最中だった。アリはちょっと注意したが中学生は無視してゲームをしていた。授業時間が終わるまで。
期待して想像していた物とは違い全くもって無駄な時間だった。オレはただキレるのを我慢していただけだった。英語力じゃなく少し忍耐力がついたのか?

それっきりアリと連絡を取る事はなかった。



1999年 12月31日
サイトウくんの家で何人かで過ごしていた。誰かがどこからか手に入れたジョイントを回しながら。世間はミレニアムとか言って盛り上がっていて、それをテレビで見ながら年を越した。
あー、いよいよ今年バンクーバーに行くんだな。



この物語はフィクションです。登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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