4.12.2020

第2話

1999年に入りほぼ毎週末スノーボードをしに群馬か栃木辺りのスキー場に行っていた。
大体金曜か土曜の夜10時頃に出発して3〜4時間かけて行っていた。車中泊だった。

オレがスノボーにハマってた頃、時を同じくして、LAに住んでいたモリカワのところにタイジとケンタが1ヵ月遊びに行った。2人とも仕事を辞めてまでして。
タイジが行った理由は多分、自分の中で何かを変えたかったんだと思う。
ケンタはきっと興味本位だっただろう。
オレが、やりたい事見つけた、スノボーだって言った時にタイジがなんだよソレ、そんなもん意味あんのかよみたいな事を言われた記憶がある。

ちょうどこの頃、よく飲みに行っては熱く語っていた。熱く語るヤツは大体タイジだったんだけどオレも刺激を受けて熱くなっていた。オレもどうにかしねーとって。


オレはというと、96年に高校を卒業して就職もせず今で言うニート生活をしていた。8月頃になってようやく、高3の夏、冬休みにお世話になっていた墓石屋でバイトをし始めた。1ヵ月後、給料を手に入れるとすぐさま93年式のホンダアコードを買った。車体価格が89万で改造費が100万くらいかかった。そんでそのバイトを辞めた。毎月58000円のローンと保険料25000円の支払いが3年もあるにもかかわらずだ。さすがにそのローンを親に払ってもらうわけにもいかないから、日曜日の新聞に入っている求人広告を毎週末目を通していた。そこで塗装の仕事を見つけた。

その仕事が板につく頃には車のローンもほぼ終わりに近づいていた。その頃よく思っていたのはローンが終わった後どうしよう、という漠然とした不安だった。つまり目的が達成された後次の目的は何?って事。

で、話は戻って99年、タイジがLAにいる時、バンクーバーに行くって決めたそうだ。
ワーキングホリデーってヤツで。

オレはふーんとしかその時は思わなかった。



この物語はフィクションです。登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

4.09.2020

むかしむかし

1998年 12月31日

ケンタが運転するTOYOTAハイラックスサーフでカズとオレの3人はスノボーの道具を載せて船橋の屋内スキー場 "ららぽーとスキードームSSAWS"に向かっていた。
その時大ヒットしていたTHE OFFSPRINGのアルバムAmericanaを聴きながら。

初めてスノーボードをしたのは96年の冬だったと思う。
ちょうどPULLEYのEsteem Driven EngineとRANDYのThe Rest Is Silenceを買った頃だった。
はっきり言って初めてのスノボーは一言で言うと”挫折”だった。兄ちゃんが以前使っていた無名ブランドの板とウェアを借りて挑んだけど全く滑る感覚もつかめず、あのワイワイした山の雰囲気にもなじめずで結果は散々だった。もちろんどこの山に行ったかなんて覚えていない 。

それから2年が経過して、たぶん挫折した感覚も忘れていたんだろう。ザウスで年越しカウントダウンやるから行こうゼってカズかケンタが言ったんだと思う。それは面白そうだと一緒に行く事にした。

初めての人工雪は、エッジが引っ掛かってコケることもなく只々楽しかった。あのワイワイした雰囲気も滑れてしまえば楽しいもんだ。大音量でJ-popが流れる中、みんなでカウントダウンして最高の気分で年を越した。

スノーボードすげえ楽しいじゃん。
とやる気スイッチが入ったのであった。



この物語はフィクションです。登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません。